性器ヘルペスとは?原因や症状、治療法について女医が解説
性器ヘルペスとは?性器ヘルペスは、ごくありふれた病気で、淋病、クラミジアに次いで多い性感染症です。原因や症状、治療法について女医が解説します。
性器ヘルペスとは?
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが性器に感染して起こるごくありふれた病気で、男性では淋病、クラミジアに次いで、また女性ではクラミジアに次いで多い性感染症です。
単純ヘルペスには1型と2型の2つのタイプがあり、ともに粘膜に感染します。
1型は口唇や顔面など上半身に多く発症し、唇に水疱(水ぶくれ)を作り、口内炎などの症状を引き起こします。
2型は下半身に多く発症し、陰部に水疱や浅い潰瘍を作ります。
男性よりも女性に多い
性器ヘルペスは男性よりも女性に多く、女性では10代後半からみられ、ピークは20~30代です。
性行為によって、相手の性器にできていたヘルペス(おもに2型)がうつることが多いのですが、近年セックスの多様化により、オーラルセックスで相手の口唇にできていたヘルペス(おもに1型)からうつることもあります。
初感染は症状が重くなる
初めて感染した場合、一般的に症状が重くなります。感染後1週間前後で激しい痛みとともに外陰部に赤みや水疱ができ、やがて水疱がつぶれて潰瘍ができます。
発熱や頭痛を伴うこともあり、あまりの痛さに排尿もできないことがあります。また、感染しても症状が出ない場合もあり、本人が気付いてないこともあります。
症状が治まっても安心できない
初感染の症状がおさまっても、しばらくして再発することがしばしばあります。
これは、初感染の際に体内に入った単純ヘルペスが神経節の中に潜み、過労やストレス、風邪、紫外線、月経などで体の抵抗力が落ちると再び暴れだし、神経を伝って外陰部に病変をもたらすものです。
再発の場合、症状は軽いことが多く、水疱や潰瘍の数は減り、痛みの程度も軽くなります。
性器ヘルペスの治療
初感染の場合は抗ヘルペスウイルス薬の内服を行います。症状が強く、排尿もできないほどの重症例や高熱を伴う場合などは入院して点滴を行う場合もあります。
再発の場合は抗ヘルペスウイルス薬の内服や外用で治療を行います。
日頃から栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠を心がけ、ストレスや疲れをためない生活を送ることが、潜んだウイルスをおとなしくさせておく秘訣なのです。
【関連記事】
writing by 松村圭子