婦人科検診を受けたことある?女医が教える検診内容と注意点
突然ですが、みなさんは婦人科検診を受診されているでしょうか。女性であれば、30才前後を境に、婦人科検診を受ける人が急増すると言われています。ラブリサーチが独自に行った『乳がん・婦人検診を受けたことはありますか?』によると、定期的に受診していると答えた人は18.6%と少数派にとどまり、「一度は受診したことがある」「一度も受診したことがない」という人が多数という結果になりました。定期的に受診している人は、ピルを飲んでいたり、生理不順があったり、近親者に乳がんなどを発症した人がいるなど、何らかの疾患やリスクを身近に感じている人が多いという結果になりました。
生活・趣味・健康(体調)についての
Q.女性に質問です。乳がん・婦人検診を受けたことはありますか?
回答時期:2008.08.14〜2008.08.20|308名が回答
定期的に受診している。:64名
定期的ではないが、受診したことがある。:111名
1度も受診したことはない。:130名
その理由は?
定期的に受診している。
乳カ゛ン検診はないけど、子宮カ゛ン検診は1年に一度やってます。婦人科系で通院している為、病院の方から声をかけてもらえるので
6年前に子宮口にポリープ(幸い良性)ができたことで子宮がんは定期的に受診してます。乳がん検診はまだ受けたことがありません。機会があれば……
旦那の会社で家族検診の補助がある為、毎年受けてます。私自身はもう少し年齢がいってからでも構わないと思っているのですが、旦那が受けろとうるさいので…
すでに一度乳ガンになったから。今は若い人でもなりやすいです。三十代は勿論のこと二十代後半から検診は受けた方がいいですよ。
病気が怖いから。あとはホルモンバランスが非常に悪く、治療しているので子宮内膜症や何かの病気が発症してないかこまめにチェックして貰います。病気のせいで将来の希望を奪われたくないから。
定期的ではないが、受診したことがある。
不正出血があったのをきっかけに、検査をしてもらいました。乳ガンは来年デビューの予定です
ハタチ前に母が受診するついでに一緒に検診に連れて行かれた事があります!必要な事とは理解していますが、何だか痛いし恥ずかしいし行きたくないのが本心です。
転職した会社の健康診断で婦人科も追加料金なしで受信できたから。普段検診してないし、やっておくか、と気軽な感じで。
町の健康診断に子宮ガン検診があったから受けたらめっちゃ痛かった。あの時はバージンだったから痛かったのかなと思ったり…今年の9また受診します。
会社の健康診断で婦人科検診も付いていた。乳ガン検診でひっかかっちゃってちゃんとした病院でしっかり検査しました。なんともなかったから良かったけど。
1度も受診したことはない。
年齢的にいくつから受ければいいのか分からないし、マンモグラフィーが痛そう。母親なんかは、市から検診の案内が来てるけど、「じゃあ、母親くらいの年齢になってからでいいの?」とか思ったり。
まだ若いから大丈夫だと思って何も検診した事はないです。一応受診した方が良いとは思うけど、自腹だと金額も高そうで心配…
検診料が高い、会社での検診は30歳以上が対象だから、まだ受けられない…。社員みんなが受けられるようにしてくれればいいのに…。
わざわざ仕事を休むのも気が引けるし…妊娠〜出産中に何も異状が見つからなかったから。
特に受ける機会もないし、受けようとも思わない
健康に暮らしていると、なかなか婦人科の門をくぐって検診を受けることに抵抗を感じてしまいますが、実際、婦人科検診ではどんなことをするのでしょうか。今回は婦人科検診の内容などについてお話しさせていただこうと思います。行きたいけれどなかなか勇気が持てないなど悩んでいる方は、この記事を読んで悩みを解消していただけたらと思います。
この記事はこんな人におすすめです
- 「婦人科検診を受けたことがない方」
- 「健康的に歳を重ねていきたい方」
- 「おりものの量や不正出血など、デリケートな部分のお悩みがある方」
乳がんってどんな病気?
成人女性の乳房は、乳頭(乳首)から、乳腺が放射状に並んでいます。それぞれの乳腺はいくつかの小葉に分かれていて、小葉は乳管という管で繋がっています。乳がんは、名前の通り乳房にできるがんのことなのですが、ほとんどはこの乳管にできます。30歳代から罹患率は増加し始めて、50歳をピークにあとは徐々に減少して行きます。
乳がんは女性のがんの中でも増加傾向にあることは有名で、12~14人に一人は乳がんを発症すると言われています。年間6万人以上が現在乳がんと診断されていると言われており、そのうち1万3,000人程度が乳がんで死亡しています。発症した人の30%程度が死亡するがんなので、乳がんの早期発見や予防の重要性が今問われる時代になりました。
乳がんの原因
乳がんには、遺伝的要因が大きく関わっています。母親や祖母で乳がんにかかった人がいれば、自分も乳がんになるリスクは上がります。近親者に乳がんの人がいなくても、女性ホルモンであるエストロゲンが乳がんの発生増殖に大きく関わっているため、初経年齢が極端に早かったり、閉経年齢が遅いこと、授乳歴がないことなども乳がんの発症率の増加に関わっているとされています。
また、飲酒習慣があることと運動習慣がないこと、不規則な食生活なども、他のがんと同様、発症リスクをあげるとされています。肥満も乳がん発症のリスクをあげる要因であると言われています。
エストロゲンに晒されている期間が一般的であれば、あとは生活習慣が大きく乳がんの発症には関わってきます。食生活の欧米化は、乳がんをはじめとしたあらゆるがんの発症に関わっているとはよく言われますが、なかなか規則正しい生活を送ることが困難になっている昨今では、定期的な検診などで、もし発症していても早期発見することが大切なのがわかりますね。
婦人科検診の主な内容
婦人科検診は大まかな流れは同じですが、健診施設などによっても検査項目が多少違っていたり、金額も幅があります。ここでは、一般的な婦人科の健診項目についてお話ししていこうかと思います。
超音波検査
一般的な超音波検査では、ゼリーを塗って、器具を当ててお腹の中の状態を画像でます。婦人科検診で行う超音波検査でも、お腹の超音波検査を行います。痛みも放射線の心配もない、体に及ぼす影響が非常に低い検査です。強いて言えばゼリーを塗る時の不快感くらいでしょうか。
もうひとつ、「経膣エコー」と言って、膣の中に超音波の発生する器具を挿入して、膣の中から子宮などの状態を検査する超音波検査を行う場合もあります。これは、下着を脱いで内診台に上がり、膣の中にゼリーを塗った器具を挿入します。初めてだと少し緊張するかもしれませんが、潤滑ゼリーをしっかりと使うので、痛みはほとんどありません。力を抜いてリラックスして受けると、すぐ終わります。
超音波検査は、その場で器質的疾患の有無を診断できる手軽にできる検査です。安心して受けてください。
おりもの検査
おりものを採取して、性状などをることで、感染症の有無などをる検査です。膣の中から専用の採取器具でおりものを少量採取して検査します。明らかな臭いや色などから、性感染症をその場である程度推測できますが、細菌の有無は、もう少し詳しく検体をてみることでわかります。通常1週間前後で結果がわかることが多いですが、これも施設や医療機関によります。おりものの量が多いなど、何か違和感を感じていれば、事前の問診で必ず伝えておきましょう。
血液検査
血液検査からは、貧血や炎症の有無、腎機能や肝機能、電解質バランスや、実に様々なことがわかります。過多月経の人は、貧血がある場合がありますし、腎機能や肝機能に異常があれば、婦人科だけではなく、他の内科的疾患を疑って詳しい検査をしていく場合もあります。
自覚症状がないから大丈夫、と思っていても、実は何らかの疾患が隠れていることは本当によくあります。重度の貧血があってとてもしんどかったはずなのに、「最近疲れていたからかな」と思って見過ごしていた、というようなケースもあります。定期的に血液検査を受けることで、自分の体の状態をモニターしておくことは、重篤な疾患を未然にふせぐという意味でとても重要です。
尿検査
尿を採取して検査します。尿中にタンパクや血球成分が含まれないか、細菌感染がないかなどをます。尿中に細菌が発見されると、尿道炎や膀胱炎が疑われます。女性は男性に比べて尿道が短いので膀胱炎を起こしやすく、また、一度膀胱炎になると再発もしやすくなるので、ここでしっかり検査しましょう。ただ、生理中に受ける尿検査では、尿中にどうしても潜血が混じってしまうので、正しい検査結果が出ないことがあります。その場合は、後日生理が終わってから尿検査を再度受ける必要があります。
場合によっては、妊娠の有無をここでることもあります。婦人科検診の時には、トイレを事前に済ませずに臨むのが良いでしょう。
細胞検査
膣内の細胞を採取して、異常がないかをる検査です。内診台に上がって検査をします。採取自体はすぐに終わりますが、多少違和感を感じる方もいます。痛みはほとんどありません。異常細胞が多く見つかった場合、癌化や、子宮頸癌の原因であるヒトパピローマウイルスの感染が疑われます。一時的に異常細胞が現れているだけのケースもあるので、もし細胞検査で異常を指摘された場合は、医師の指示に従いながら、定期的に婦人科検診や詳しい検査を受ける必要があります。
細胞の異形化は、自覚症状を伴わないことが多く、婦人科検診で細胞診をしてみて初めてわかることがほとんどです。また、ヒトパピローマウイルスの感染は、性交渉経験のある女性の過半数で感染が認められるとも言われます。必ず定期的に受けるようにしてください。
検診の注意点
では、定期的に受けた方がいいと言っても、何か検診を受けるに当たって注意点はあるのでしょうか。
服装
特に指定はありませんが、婦人科検診と一般内科検診を同時に受けるのであれば、胸が出やすいように上下セパレートの服で行くことをお勧めします。乳がん検診の際も、すぐに胸が出やすい服装で行く方が良いかもしれません。ただ、最近では、施設で健診着に着替えてから順番に健診項目を回るという場合も多いので、そこまで神経質にならなくても良いでしょう。
生理中
生理中でも婦人科検診を受けることはできますが、尿検査が不正確になったり、出血量が多いと、膣内を観察しにくかったりすることがあります。普通に検診だけ受けたい時には、生理中を避けて行くことをお勧めします。ただし、実は不正出血なのに、「生理が終わるまでは検診に行けない」と我慢してしまうのはやめましょう。出血の原因となる疾患があった場合、我慢して検診を先延ばしにしてしまうことで疾患の発見が遅れることがあります。「いつもと何か違うな」と思ったら、出血があるかどうかに関わらずにすぐに受診するのがお勧めです。
妊娠中
妊娠中でも婦人科検診を受けることはできます。特に、妊娠初期の検査では、子宮頚がん検診は必須項目になっているほど。妊娠中は、放射線被ばくを伴う検診は禁忌ですが、血液検査などは普通に受けていただくことができます。ただ、自治体によっては妊婦検診の健診項目とかぶる場合があるので、地域の産婦人科に問い合わせてみるのが良いかもしれません。
検診前のひとりやについて
できれば検診前のは避けた方がいいでしょう。膣内に精液が残っていたり、一時的に細菌が増えたりして、検査の妨げになることがあります。どうしても前日にをする場合は、コンドームを必ず使用するようにしましょう。ひとりをすることは特に問題ないですが、膣内を傷つけてしまわないように注意しましょう、指などで傷つけてしまい、傷口から出血したりしていたら、検査結果が不正確になる場合があります。
生理中は避け、妊娠中の場合には検診項目を確認してみましょう。検診前の、ひとりも、できるだけ控えることがおすすめです。
検診を受ける方法
検診は、近くの婦人科や検診施設などに問い合わせてみて受けてください。少し恥ずかしいかもしれませんが、婦人科検診には、特に痛みを伴うような検査項目はありません。(しいて言えば、血液検査ぐらいでしょうか)
まとめ
しっかり検診を受けて、未然に疾患の発生を防ぐことがいちばん。結果、特に何も異常がなくても、自覚症状がわかりにくい婦人科疾患だからこそ、年に1度は受けるようにしてくださいね。
【記事提供:ラブリサーチ】
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writing by ラブリサーチ