日本人の3人に1人が痔?痔の種類と対策!
人にはなかなか相談できない痔の悩み。3人に1人の日本人が痔に悩んでいると言われ、症状の出ない人まで含めると成人のほぼ半数が痔であると考えられています。痔には大きく分けて、「痔核(じかく・通称:いぼ痔)」「裂肛(れっこう・通称:切れ痔)」「痔ろう(通称:あな痔)」に分けることができ、これらを総称して「3大痔疾患」と呼んでいます。痔の詳しい説明や原因・治し方についてご紹介します。
日本人の3人に1人が痔!?
3人に1人の日本人が痔に悩んでいると言われ、症状の出ない人まで含めると成人のほぼ半数が痔であると考えられています。
痔には大きく分けて、「痔核(じかく・通称:いぼ痔)」「裂肛(れっこう・通称:切れ痔)」「痔ろう(通称:あな痔)」に分けることができ、これらを総称して「3大痔疾患」と呼んでいます。
痔のうち約半数程度を占めるのが痔核で、裂肛、痔ろうがそれぞれ15%と続きます。
痔核とは
痔核は、肛門部のうっ血(血行障害)によって血管の一部が膨れ上がる状態で、歯状腺(しじょうせん・肛門と直腸の境にあって、分泌物を出している腺)よりも上の粘膜にできる「内痔核(ないじかく)」と、下の皮膚の部分にできる「外痔核(がいじかく)」があります。
便秘などでのいきみや腹圧、立ちっぱなしや座りっぱなしの生活、また女性の場合は妊娠時に大きくなる子宮によって肛門がうっ血し、腹圧が高まって肛門が押し出されやすくなることによって痔核になりやすくなります。
また出産時のいきみも原因となります。
内痔核は、最初のうちは出血のみで痛みはありませんが、進行するとイボが肛門外に出て炎症を起こして痛みを伴う場合があります。
外痔核の場合は、痛みを感じることが多く、静脈炎を起こすと激痛を伴うことも。
裂肛とは
裂肛は、硬くて太くなった便が無理に通過したために肛門の出口付近が切れて起こるものです。
排便時の痛みと少量の出血が見られますが、痛みのために排便を我慢するようになり、便秘になりがちに。
そうなると、さらに太く硬い便が再び同じ場所を通過する際に切れて裂肛が慢性化し、肛門が狭くなってしまいます。
そしてますます便が通りにくくなるという悪循環を繰り返すように。
裂肛は特に女性に多く、排便を我慢する機会が多かったり、冷え性の女性は便秘になりやすいため注意が必要です。
痔ろうとは
歯状腺のくぼみから大腸菌などが入り込み、直腸と肛門の周囲が化膿したものを「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」と言いますが、この膿が自然に破れたりすると直腸や肛門とつながった膿の管ができ、肛門周囲の皮膚に出口ができて膿が出ます。
これを痔ろうと言い、出口がふさがったりすると肛門周囲が腫れて激痛が続き、高熱を伴う場合もあります。痔ろうは自然には治らないので手術が必要になります。
痔の一番の大敵
痔の一番の大敵は、なんといっても便秘。朝食を抜いたり、極端に食事量を減らすなどの間違ったダイエットも便秘の原因になってしまいます。
コショウやトウガラシなどの香辛料も肛門粘膜を刺激するので摂り過ぎには注意しましょう。
アルコールの摂りすぎも痔を悪化させる原因に。また排便時の長時間のいきみや便座に座っている姿勢は肛門への負担になります。
トイレタイムはなるべく短めに済ませましょう。
便秘だけでなく、下痢も痔の原因になるので注意が必要です。下痢便では勢いよく排出されるため、肛門に負担がかかってしまうのです。
また、体の冷えは血行を悪化させてうっ血を助長させるもと。
特にお尻周りや腰を冷やさないようにすることが大切。
カイロや湯たんぽなどを利用して冷えから体を守りましょう。
これらの生活習慣は、痔に限らず健康維持にも非常に役立つ習慣なのです。
writing by 松村圭子