生理前の憂鬱・イライラなどの心の不調「月経前症候群」について
生理前になると、憂鬱になる・イライラする・無性に甘いものが食べたくなる…など、最近、月経前症候群に悩む女性が増えています。症状に程度の差こそあれ、生理前に何らかの不調を感じている女性は実に8割にものぼるとか。特に最近診療をしていて感じるのは「普段なら何でもないことに無性に腹を立ててしまう」「わけもなく悲しくなって涙が出てくる」など、心の不調に悩む人が増えているということです。
月経前症候群の原因
そもそも月経前症候群の原因にはいくつかの説があるのですが、はっきりした原因はわかっていません。
一つの原因として、生理周期に伴って変動する女性ホルモンの影響が考えられます。
つまり、生理前に女性ホルモンが急激に減少することなどが、体と心をコントロールしている自律神経のバランスを崩し、さまざまな不調をもたらすのでは?と言われているのです。
また、このようなホルモンの変動が「幸せホルモン」とも言われる「セロトニン」のような脳内物質の分泌にも影響を与えて「落ち込み」や「ゆううつ感」などの症状が出てくるとも考えられています。
考え方のクセを変える
こうした女性特有のホルモンの変動によってもたらされる毎月の不快な症状は、日々の生活の工夫によって改善することができるのです。
特に、心の症状が強く出る人はとかく「何事も100%完璧にやらないと気がすまない」という完璧主義的思考に陥りがち。考え方のクセを変えましょう。
「80%できたらそれでよし」という風にペースダウンをして自分をゆるめてあげるのです。
また、症状が強いときは仕事や人間関係などでのトラブルを防ぐために、大切な約束は入れず家でリラックスして過ごす、重大な決断は避ける、ゆったり過ごすためにも前倒しして済ませられる仕事は生理直後の体調の良い時期にやっておく、などのちょっとした工夫をすることも大切です。
笑って元気
「笑う」ことは、セロトニンの分泌を高める効果があるので、つらいときこそ大声で笑ってみましょう。
コメディ映画やお笑い番組を見るのもよし。鏡を見ながら口角を上げて微笑むだけでも効果があるのです。
「病気じゃないんだし、仕方がない…」などと我慢しないで、日々のセルフケアで毎日を生き生きと健康的に過ごせるようにしたいものです。
writing by 松村圭子